本プログラムの大学院生は、修士課程に在籍しながら青年海外協力隊等の隊員として派遣国で活動します。現地活動中も指導教員や本研究科教員の指導を受けることができ、国際協力現場での実践を通じて国際保健協力に関わる人材としての資質・能力を高めることを目的としています。
新潟医療福祉大学大学院と、JICA青年海外協力隊事務局は、2012年より「連携プログラム」を開始しました。保健・医療・社会福祉という分野において、開発途上国で求められる、専門的な知見と現場での実践を兼ね備えた国際協力人材の育成は大変重要であり、そこに寄与する本プログラムの意義は大変大きいものがあります。
JICA海外協力隊は、日本政府のODAの一環としてJICAが行う海外ボランティア派遣事業です。1965年に事業を開始し、これまで5万5千人以上の隊員が世界の開発途上国に派遣されています。毎年、開発途上国から寄せられる多くの派遣要請は、その内容が年々多様化してきており、保健・医療・福祉分野においても同様に、様々な分野の知識や技術、経験を有する人材が求められています。特に新型コロナウィルスの世界的な感染拡大を機に、これらの分野における協力やそこで活躍できる人材育成の重要性がより一層高まっています。
JICA海外協力隊は、「現地の人々と同じ目線で共に生活し、考える」という基本姿勢を大切にしながら、開発途上国の課題解決にしっかりと貢献する活動を行い、帰国後はその経験を国内外の地域の発展や課題解決に役立てることを目指しています。本プログラムの参加者が帰国後も専門性を備えたグローバル人材として国内外で活躍されることを心から期待しております。
私は現在、ボリビア多民族国にある日系移住地「コロニア オキナワ」の診療所で理学療法士として働いています。主な業務は、地域に住む日系人やボリビア人を対象とした外来リハビリテーション、入院患者に対するリハビリテーションです。また、地域高齢者を対象としたデイサービスにも参加しており、運動指導を行なっています。
JICA海外協力隊の派遣が決まった際に、理学療法士としての知識や国際協力について理解を深めたいと思い、本学大学院の連携プログラムへの進学を決意しました。また、派遣期間中も先生方のサポートを受けつつ、さらに単位の取得ができるという点で、修士号を取得するために非常に効率の良いプログラムであると感じています。現時点では、先生方にご対応いただいて、授業もオンラインやオンデマンドで受講できています。また、このプログラムで必修となっている「国際保健医療学演習」では、情報収集の方法や収集した情報を統合する方法などを学んでおり、今後の活動に役立てることができると感じています。
本学大学院で学んだことをリアルタイムで任地に還元できるという環境に身を置いているので、派遣期間の2年間は、積極的に学び、得た知識を活用することを心がけたいと思います。また、帰国後は、隊員としての経験と、本学大学院で学んだ専門性を活かして、国際協力や国際保健に携わっていきたいと思っています。
私が本学大学院に進学を決めたのはグアテマラに派遣され、半年ほど経過してからです。協力隊の活動では栄養士として保健所に配属されたのですが、派遣前に保健所で働いた経験がないこと、国際協力に関して学ぶ機会がなかったことから、協力隊の活動がなかなか上手くいきませんでした。そこで、活動中に勉強ができる場所はないかと探したところ本学大学院を見つけました。
JICAプログラムでは、国際協力に関する授業、専門分野である栄養に関する授業を受講しています。授業では、他学生の意見を聞くことができるため、他分野の栄養士の意見や、他職種の国際協力に関する意見を聞くことができるため、協力隊の活動にとても良い刺激となっています。
入学する前は協力隊派遣前に入学して授業を受け、知識がある状態で協力隊活動を始めることがベストと考えていたのですが、実際入学してみて、オンラインで授業を対応して頂き、派遣途中からでも入学を決めてよかったと思っています。
派遣終了後は日本に戻り大学院の研究、その後の仕事で国際協力の経験を活かしたいと思います。
私は現在、スリランカの保健所に配属され、保健師として活動しています。主な業務は、学校の児童生徒や、幼稚園・保育園児、成人に向けての生活習慣病予防のための健康教育や、エクササイズ指導を行っています。また、保健所スタッフに向けて技術指導も行っています。
青年海外協力隊員は主な目的が3つあります。技術提供、草の根の国際交流、そして日本社会への社会還元です。自分の今まで培ってきた保健師経験と海外での隊員経験を社会還元するために、学術的に学び、体系化したいと思い、大学院に進学しました。
本学大学院を選んだ理由は、修士課程に在籍しながら青年海外協力隊等の隊員として派遣国で活動でき、派遣中も教員の指導を受けることができることに魅力を感じたからです。私は1月に派遣される第3次隊でしたので、派遣前に大学院の前期の講義を履修することができました。そこで学んだ知識と、一緒に学んだ仲間と情報を共有できたことが、スリランカに来てからも活動の支えになっています。
これから自分に何ができるのかまだ模索中ではありますが、大学院の教員の助言を受けながらこの国のフィールドで調査研究に励みたいと思います。また、帰国後は任国での体験と大学院で学んだ専門性を活かして、国際保健に何かしらの形で貢献できるような活動に取り組んでいきたいと思っています。
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