名称 | 生物医科学分析研究センター Research Center for BioMedical Analysis: RCBMA |
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研究テーマ | 質量分析法や、それに伴うデータ解析技術を駆使しながら,⽣物試料やヒト検体中に含まれる⽣体分⼦に関する,⾼感度・⾼精度な分析法を確立し,医療への貢献を目指す。 |
研究概要 | 質量分析(MS)法は,原子や分子をイオン化し,そのイオンを検出する技術である。2002年のエレクトロン・スプレーイオン化(ESI)法とマトリックス支援レーザー脱離イオン化(MALDI)法のノーベル化学賞の同時受賞により,MSに関する学問も技術も急速な進歩を遂げ,現在までに多くの分析法や検査法がMS法に置き換わっている。原子や分子そのものを検出出来るために分析エビデンスは揺るぎないものとなり,その分析の信頼性は高まり続けている。 本学には,独創的な神経科学的研究課題や運動生理学的研究課題があり,本学の「研究力」を支えている。どちらの分野でも,そのターゲットの多くは生体分子であり,その分子挙動の追跡はMS法が最も得意とする動態解析である。生体分子の動態解析には,化学的変化と位置的変化の把握が重要となる。化学的変化では,生体内の代謝によって,どのような化学構造の変化が起こるかを明らかにする必要がある。この様な化学構造の解析には,MALDI-TOF/MS(本学 質量分析室に設置)が有効である。また,化学構造変化から明らかとなったフラグメント・イオンの定量的な追跡では,LC-ESI-MS/MS(新潟食料農業大学が所有)が効果的である。位置的変化の解析には,質量イメージング装置のニーズが高まっている。 本プロジェクト研究の最終的な目標は,質量分析に特化した生物医科学分析拠点を構築し,堅牢なプラットフォームを形作りながら,次の世代の若手研究者に継承していくことである。本学において積極的な機能強化が図られている大学院教育において,情熱のある人材を国内外から受入れ,高度な専門性と高いスキルを習得させ,分析実学を通した新たな着想に基づく理論や方法論の創造が出来るように指導を行うことである。 以上のように,本プロジェクト研究は アジアに向けた フロントラインとしての新潟 から,我々の技術や知識を提供していくと共に,世界に羽ばたける次世代の若手研究者の育成を目指している。 <今後の課題> • 神経や筋肉を対象とした分子イメージング解析の導入 • qShot MALDI analysis の質量イメージング解析への応用 • 国外からの大学院生のリクルートと受入体制の整備と強化 |
研究員 |
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2023年度(令和5年度) 獲得外部資金 |
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連絡先 | 新潟医療福祉大学 臨床技術学科 中山研究室 内線5105 |
kenji-nakayama@nuhw.ac.jp |