9月6日(火)、7日(水)の両日、理学療法学科では、2009年度からの取り組みとして継続している、「OSCE(客観的臨床能力試験)」を実施致しました。
OSCEとは、医師および医学部学生の臨床能力を評価するために開発された評価方法で、医師が患者様に対して問診・診察・病状や検査結果・薬などの説明を行う時の技法(コミュニケーション能力・判断力・態度)を模擬患者様に対して実施し、客観的な評価を行うものです。これにより、通常のペーパーテスト等による知識や理解力などの評価に加え、これまで評価が難しいとされていた態度や習慣などについても評価することが可能となり、より高い実践力を身につける方法として将来は医師国家試験への導入も検討されています。
日本国内の理学療法士養成校で、このOSCEを導入しているところは数少なく、本学理学療法学科では、より高いコミュニケーション能力の獲得に向け、全国に先駆けて取り組んで参りました。
段階的にOSCEを導入してきた結果、今年度は2年生で見学実習に行く前に初回面接SP(Simulated Patient : 模擬患者)実習、3年生で実習Ⅱ(評価実習)に行く前に評価OSCE、4年生で実習Ⅲ(臨床実習)に行く前に総合OSCEが実施されることになり、学内演習および評価(OSCE)を実施した後に学外での臨床実習を行うという理想的な臨床教育の体制が整いました。
当日は、実際の理学療法の場面に匹敵する程の緊張感を持って、模擬患者様に対して面接を行い密度の濃い内容となりました。学生は、OSCEでの模擬患者様との対応などを通じて、改めて授業で学習した評価方法の実施や指示指導の難しさと大切さを体験し、自分の課題を明らかにすることができたと思います。実習前にこうした実践的な経験を積むことで、実習での学びをより効果的なものとしています。
患者様のニーズが多様化・複雑化する中、今後はリハビリテーションの養成校においてもこうした取り組みが広がっていくことが予想されます。本学の理学療法学科では、全国に先駆けて実践力重視の教育を推進するとともに、OSCEをさらに充実したものにして参ります。
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