大石如香教授と田村俊暁助教の研究成果が日本音声言語医学会の学術誌「音声言語医学」に掲載され、電子ジャーナルJ-STAGE上にて公開されました。
〔研究の概要〕
失語症の中で『表記不能型ジャルゴン』は日本語文字での表記が困難な不明瞭な発話です。表記不能型ジャルゴンを呈する患者は広範な病巣を有する重度例が多いため、その発生メカニズムについては十分にわかっていませんでした。今回の研究では、心原性脳梗塞後にみられた失語患者のジャルゴン症状や言語機能に対して認知神経心理学的および神経心理学的検討を行い、表記不能型ジャルゴンの発現メカニズムと責任病巣を明らかにしました。
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https://www.nuhw.ac.jp/research/2022/05/post-86.html
〔研究者からのコメント〕
ジャルゴン症状が急性期に一過性に出現することは必ずしも稀ではありませんが、意識障害や一過性の構音障害に起因しない表記不能型ジャルゴン例の経過を追った詳細な検討は多くはありません。また、表記不能型ジャルゴンを呈する症例では詳細な音韻処理能力の評価が困難でした。今後は本研究結果を発展させ、ジャルゴンに対する訓練法の開発につなげていきたいと考えています。
〔原著論文情報〕
大石如香, 菅井 努,田村俊暁.心原性脳塞栓後に表記不能型ジャルゴンを呈し伝導失語に収束した一例
. 音声言語医学 63(2): 103-114, 2022, doi: https://doi.org/10.5112/jjlp.63.103
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