田畑智さん(作業療法学科1期生、新潟大学医歯学総合病院勤務)と能村友紀教授(作業療法学科)の研究論文が国際誌『Asian Journal of Occupational Therapy』に採択されました!
〔研究の概要〕
小脳性運動失調症は、手足を協調して動かすことができなくなる病態であり、上肢の協調運動や手の細かな動作が障害されるため、書字や箸操作などの道具を使った日常生活動作が円滑にできなくなります。小脳性運動失調症の軽減は、日常生活動作が行いやすくなることにつながります。
本研究は、小脳性運動失調症のある患者を対象とし、手指による視標追跡課題トレーニングを実施し、その介入効果を検証しました。その結果、介入前後において手指による視標追跡課題の移動速度が安定する傾向が認められました。
このことは、運動課題が円滑に行われるようになることを示唆するものであり、小脳性運動失調症の軽減に貢献できる可能性があります。
〔田畑さんからのコメント〕
小脳性運動失調症に対する作業療法は、上肢の協調運動、日常生活動作、環境調整などに支援を行いますが、上肢の協調運動に対する有効な介入法はいまだ十分に確立されていないのが現状です。今回の研究成果を発展させて、今後も小脳性運動失調症のある患者様に有益な研究を行っていきたいと考えています。
〔原著論文情報〕
Tabata S, Nomura T: Improvement of upper limb coordination by upper limb target-tracking
for patients with cerebellar ataxia: A case series study. Asian J Occup Ther. 2022 [in press]
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