当日は、はるばる神奈川県より渡部さん(理学療法学科三期生)にお越しいただき、VICONを使用した研究とVICON部で培った動作分析を活かした臨床応用について発表していただきました。通常の講義とは異なるこの機会に、理学療法学科の学生に加え、義肢装具自立支援学科の学生さんも多数参加するなど会場には多くの学生が集い、熱気あふれる講義となりました。
VICON部は、本学の研究機器のひとつ「三次元動作解析装置(VICON)」を使用してさまざまな研究を行う部活動で、全国的にみても数少ない部活動です。VICONを使用することにより人の動きや人が生み出す力を計測ることができ、部ではスポーツ動作の研究を行うなど、楽しみながら活動しています。大学創立当初は当然のことながら、学生は皆VICONの存在や操作方法を知らず、VICON部という部活も存在しませんでした。その後、VICON部の創設メンバーであるOBの方たちが、卒業研究でのVICON使用を通じて操作方法や研究の楽しさを覚え、ゼミ担当教員であった江原先生ととも、後輩達にもそのノウハウを伝えられるようにしようとVICON部を立ち上げました。今回、講義を行ってくださった渡部さんもそんなVICON部設立に立ちあった一人です。
研究発表では『着地動作時における足部幅の違いが膝関節モーメントに及ぼす影響』について発表を行っていただきました。バスケットボールなどの着地動作時に怪我を防止するためにはどんな姿勢をとるべきかを研究したもので、参加した学生たちは今後の勉強のためにメモを採りながら熱心に聞いていました。
また、臨床面においては仮の症例を用いて動作分析の仕方や考え方を学ばせていただきました。今回の内容では歩行動作の分析を通じて、障がいのある部位を見つけるというものでしたが、これが中々難しく、学生たちは大苦戦でした。OBの方は歩行を見ただけでほとんどの患者の問題点を見極めてしまうとのことで、あらためて現場に出ている方のレベルの高さに驚かされました。
発表中や終了後も、質問や意見交換が行われ、学生、OBともに非常に熱心な講義となりました。参加した学生からは、「臨床とVICONの関連を知ることができ、さらに臨床に必要な動作の知識を知ることができて非常に為になった」という声が寄せられ、また渡部さんからは、「今後も積極的にOBを招き、OBと学生のつながりを持つことが大切」とアドバイスもいただくなど、とても充実した時間を過ごすことができました。
VICON部では今後もOBをお招きし、在学生とOBがつながりをもてる機会を提供していきたいと考えています。
<写真上から> ・渡部さんの話を熱心に聞く学生たち ・人の動きも多種多様。複数の学生に協力してもらいながら動作分析を進めます。 ・首を傾げる3人。悩み事?いえいえ、これも動作分析。 ・みんなで歩行分析。動きを捉えることができるかな?