3月4日(木)、本学キャンパスにて国際交流事業「フィリピンからの研究者招へいの成果報告会」が開催されました。
本学とフィリピンとの関わりは、平成19年に本学の教員短期留学制度を利用し、理学療法学科の教員がアジアの開発途上国におけるリハビリテーションと障害者支援の現状を学ぶ機会を得て、フィリピンを訪れたことから始まりました。その後、平成20年に千葉県の幕張メッセで開催された「アジア理学療法学会」を経て、平成21年2月には、理学療法学科としてフィリピン研修を実施するまでに至りました。
今回の報告会では、フィリピンより2人の研究者をお招きし、これまで「学生や教員との交流」「フィリピンの大学と本学の教員間の共同研究を進めていくための相互理解を図る」「本学学生に実践的な英語力を身につけてもらう機会とする」ことを目的に行われた様々な交流活動について報告が行われました。カルメロ(Carmelo C.Cunanan)氏とドナルド(Donald S. Lipardo)氏は、フィリピンの理学療法士であり、カルメロ氏はアンヘレス大学財団(Angeles University Foundation)に、ドナルド氏はサント・トーマス大学(University of Santo Tomas)に所属しています。
アンヘレス大学財団は、地方の貧しい人にも高等教育の機会を与えようと、キリスト教(カトリック)を基盤とした地元の篤志家が設立した地域に根ざした有名大学で、サント・トーマス大学は、フィリピンの首都マニラにある歴史ある大学で(来年で設立400周年)、カトリック大学として世界一の学生数を有します。
報告会には、学生たちの英語等短期海外研修でお世話になっている社会福祉学科の戸出先生と、同学科の鈴木先生、義肢装具自立支援学科の坂井先生、そして理学療法学科で今回の招へいの調整を行ってきた古西の4名の教員、および学生7名が参加しました。
当日は、冒頭に本学学生による英語での大学紹介が行われ、次に招へいした2名の研究者から、それぞれが所属されている大学の紹介と今回の交流・研修の成果報告が行われました。
英語で大学紹介を行ったのは理学療法学科の3年生6名で、これから本学の英語等短期海外研修として第2回のフィリピン研修にも参加します。さらにこの学生たちは、カルメロ氏とドナルド氏もアドバイザーとして協力した国際交流ゼミにも参加しており、今回の発表は、そのゼミの成果の発表も兼ねていました。6名それぞれの学生が役割分担して一つのスライド発表を行い、その内容も写真使用した学生らしい若さとエネルギーを感じさせてくれるものでした。
続いて、カルメロ氏より、アンヘルス大学の紹介とフィリピンの理学療法士の現状についてお話しして頂きました。フィリピンの理学療法士教育はすべて大学で行われ、5年間の課程であること、国家試験の合格率は40%を超えることがないほど厳しく、フィリピンでは弁護士、公認会計士に次いで3番目にハードルの高い国家資格であることなど、日本の現状と驚くほど違うところがあることを教えてもらいました。またフィリピンでは理学療法士の国家試験に合格しても国内では働く場所がなく、多くの理学療法士が海外で活躍することを前提にしているなど、フィリピン国内の障害のある人はまだまだリハビリテーションの機会に恵まれていない実情なども話してもらいました。
次に、ドナルド氏からサント・トーマス大学の紹介をして頂きました。その後、新潟の雪祭りに参加した様子の写真もバックミュージックつきのスライドで紹介していただくなど、新潟県内の色々なところを楽しく訪問したことが伝わってくる内容でした。
報告終了後は、教員からフィリピンでのそれぞれの職種の人たちとの連携などについて質問が出たり、学生からはフィリピンの理学療法学生の勉強ぶりなどについて積極的に質問が出るなど、充実した報告会となったようです。
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