長坂和明助教(理学療法学科、神経生理Lab、運動機能医科学研究所)と佐藤塁さん(理学療法学科17期生、ゆきひろ整形外科)らの研究論文が国際誌「Neuroscience Letters」に掲載されました。
〔研究の概要〕
痛みの治療には、痛みそのものに対する評価も重要ですが、痛みに対して形成された記憶や注意といった心理的な要因を個人ごとに適切に捉えることもまた重要です。
またこれら痛みに対する記憶や注意の度合は脳機能と深い関係があることがこれまで報告されています。
本研究では、臨床でよく用いられているpain vigilance and awareness questionnaire (PVAQ)を使用して、個人ごとの痛みに対する注意の過敏性を数値化し、この数値と関連をもつ脳構造をMRIを用いた脳構造画像解析法によって調べました。
結果、痛みに対する注意が過敏な人ほど、島皮質という脳領域の容積が減少している関係性が認められました。
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https://www.nuhw-pt.jp/2022/01/-20220120.html
〔長坂助教・佐藤さんからのコメント〕
これまで神経生理ラボではPVAQのスコアと脳活動との関係性を調べています(Otsuru et al., European Journal of Pain -2021-)。
本研究では、当該スコアと脳構造との関係性を明らかにしました。
これら脳と痛みの関係性を、機能と構造の両方向から探ることで、将来的には慢性疼痛患者の脳に生じている知覚・心理的な変化の理解に繋がると思っています。
〔原著論文情報〕
Nagasaka K, Otsuru N, Sato R, Watanabe H, Sakurai N, Ohno K, Kodama N, Onishi H. Cortical signature related to psychometric properties of pain vigilance in healthy individuals: A voxel-based morphometric study. Neurosci Lett. 2022 Jan 7;772:136445. doi: 10.1016/j.neulet.2022.136445.
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