【受賞対象論文について】
「ダウン症候群における扁平足研究の実態」(日本整形靴技術協会雑誌 5,19-24,2020)
扁平足は日常生活に対して大きな支障を与えますが、これ以上に重篤な合併症が多いダウン症候群では、これまであまり注目されてきませんでした。
そこで岡部さんは、有病率に関する調査を行い、学会において学術発表した内容をもとに論文を執筆しました。
これは、教員の研究活動へ関わる機会を学部学生に提供し、学生は自身の将来の進路や研究の対象などについて学ぶことができるという自由選択科目「UROP(研究プロジェクト演習)」での研究活動をもとに行われました。
【受賞した岡部有純さんのコメント】
母親の仕事の関係で、私は幼少期から障害をもつ子供と接する機会が多くありました。義肢装具や車椅子が彼らの生活に欠かせないものだと知り、それらの専門家である義肢装具士に憧れて本学に入学しました。入学後、先生からの「学部生でも研究はできる。どんなことでも研究になる」という言葉をきっかけに、自分が抱いていた疑問を解消するために研究を始めました。今回、このように研究の成果を評価して頂き本当に嬉しく思います。研究活動の魅力は自分が抱いていた疑問を解消できること、そして先人たちの知識や技術を研究によって発展させ対象者のQOLを高められることであると感じています。今後は大学院に進学することも視野に入れ、国内外での学会発表や論文の執筆など、精力的に取り組んでいきたいです。
【阿部薫教授(指導教員)のコメント】
本学には学部生の研究活動を推進する「研究プロジェクト演習」という科目が各学年に配置されています。今回、学会の論文賞を受賞された2年生の岡部有純さんも、この「研究プロジェクト演習」を履修し、その中で研究活動を行いました。その研究成果を2020年2月に行われた全国学会で学術発表を行い、この内容をベースに論文を執筆して学術雑誌に投稿し、今回の受賞につながりました。研究は大学教員や大学院生だけのものでありません。疑問や問題を科学的手法で解き明かすプロセスが研究です。岡部さんが抱いていた「ダウン症候群における扁平足の実態」に関する疑問について、国内外の調査研究を進めた結果、報告者によって有病率が大きく異なることを指摘し、その原因は扁平足の計測方法と診断基準の不統一であることを明らかにしました。今後も研究を進め、さらに飛躍して欲しいと願っています。
日頃の地道な学術活動においても、本学学生の取り組みが全国レベルの学術団体で評価されたことに、関係者一同、大変嬉しく思っております。
本学では今後もこうした活動を積極的に支援して参ります。つきましては、本学学生の取り組みについて、多くの方々にご周知いただきたく、取材・報道くださいますよう何卒よろしくお願い申し上げます。
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