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【理学療法学科】高林知也助教の研究論文が国際誌に受理されました!

2020.11.10 研究情報

 

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高林知也助教(理学療法学科,バイオメカニクスLab,運動機能医科学研究所所属)は、扁平足の方のランニング中の後足部と下腿の動きの協調性について明らかにしました。本研究成果を掲載した研究論文は、国際誌『Journal of Biomechanics』に受理されました。

【研究内容の概要】
足部は唯一地面に接する部位であり、全ての動作を行ううえで土台のパーツ(セグメント)となります。
足部は衝撃吸収や推進力の生成なども担うため、足部障害を伴うと様々な二次的障害を引き起こします。
代表的な足部障害である扁平足は多くのランニング障害を引き起こしますが、そのうちのひとつに膝蓋大腿関節痛症候群(PFPS)があります。
PFPSは多くのランナーが苦しむ障害であり、スポーツ理学療法の現場でもよく遭遇しますが、最適な治療法や予防法は完全に確立されていません。
その理由の一つに、扁平足がPFPSを頻発しやすいメカニズムが未だ不明であることが挙げられます。
そこで、我々はシミュレーションを用いて、膝関節屈曲角度と膝関節モーメントの増加がPFPSに関与する可能性を示しました(Takabayashi et al, 2019, The Knee)
さらに、一定の見解は得られていませんが、扁平足の後足部過回内がPFPSの発生に関与することも多くの研究で報告されています(e.g. Tiberio, 1987)
しかし、後足部の上位には下腿セグメントも存在し、後足部と下腿間の関係性を理解することがPFPSのメカニズムを把握するうえで重要であると考えられますが、明らかになってませんでした。
さらに、近年ではcoordination variabilityと呼ばれるセグメント間の「変動性」を検証する研究が増加しており、PFPSはランニング中に後足部と下腿間の変動性が増加することが報告されています(2つのセグメントの動きのバラツキが増加する)
扁平足がPFPSを頻発しやすいことを考えると、扁平足においても後足部と下腿間の変動性が増加することが考えられますが、いまだ明らかになっていませんでした。
そこで、本研究では扁平足を対象にDynamical system approachのひとつであるModified vector coding technique(Takabayashi et al, Sports Biomech, 2018; Takabayashi et al, Hum Mov Sci, 2019)を用いて後足部と下腿間の関係性(Coordination pattern:協調性パターン)を解析、Circular statisticsを用いて後足部と下腿間の変動性を解析しました。
その結果、扁平足は正常足と比較してランニング立脚中期に後足部と下腿が捻れており、相対的に下腿の動きが増加していました。
さらに、後足部と下腿間の変動性も扁平足が立脚中期で増加していました。

>>高林助教からのコメントと詳細はコチラ
https://www.nuhw-pt.jp/2020/11/labjournal-of-biomechanics-pfpspfpspfps-pfpstakabayashi-et-al-2019-the.html

【本研究成果のポイント】
①Modified vector coding techniqueを用いて協調性パターンを評価した点
>>図1
http://www.nuhw.ac.jp/topics/news/2011103.pdf (57.8KB)

②扁平足は立脚中期にAnti-phase(捻れ)with proximal(下腿)dominancyが増加した点
>>図2
http://www.nuhw.ac.jp/topics/news/2011104.pdf (24.0KB)

③扁平足は立脚中期に変動性が増加した点
>>図3
http://www.nuhw.ac.jp/topics/news/2011105.pdf (16.3KB)

④扁平足のなかで協調性パターンや変動性が異なった被験者が存在した点
>>図4
http://www.nuhw.ac.jp/topics/news/2011106.pdf (71.9KB)

【原著論文情報】
Takabayashi T, Edama M, Inai T, Kubo M. Shank and rearfoot coordination and its variability during running in flatfoot. Journal of Biomechanics. 2020. [accepted].

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