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【臨床技術学科】第97回新潟県臨床検査技師会でダブル受賞!

2025.01.07

この度、臨床技術学科の阿部拓也助教らの研究グループは第97回新潟県臨床検査技師会において、加圧された超音波診断用造影剤の生体への弊害の存在を明らかにし、最優秀演題賞と学会テーマ賞をダブル受賞しました。

(左) 臨床技術学科 阿部拓也助教
(右) 臨床技術学科 渡邊博昭教授 (新潟県臨床検査技師会会長)

 

◆研究成果のポイント◆
【論文賞題目】加圧された超音波造影剤起因の生体への弊害
実臨床で最も使用されている超音波診断用造影剤はマイクロバブルでできているが故に、投与時の三方活栓開閉ミスなど過度な圧力が加わることで、バブルが崩壊し造影効果が欠如することが明らかになっています。これまで、加圧された造影剤では、造影剤としての機能が欠如することは明らかになっていましたが、生体への弊害の有無は検討されていませんでした。本研究では医療安全の観点から小動物を用いた遺伝子学的評価により主要臓器局所における炎症が助長することを明らかにしました。

【研究概要】
ペルフルブタンマイクロバブル(Perfluorobutane;PFB)は、実臨床で最も使用されている超音波造影剤です。PFBは、加圧により容易にバブル数が減少することが知られており、実臨床においては、投与時の三方活栓開閉ミスなどにより不要な圧力が加わる可能性があります。これまでに我々は、900mmHg以上の加圧によりPFBが65%程度減少し、造影効果が欠如することを報告しており、また、加圧をしない臨床条件での投与においても、投与1日後に主要臓器で炎症性遺伝子の発現が増加することを明らかにしています。そこで、本研究では、小動物を用いて、加圧後のPFB投与起因による炎症性遺伝子の発現を評価しました。その結果、加圧されたPFB投与により、全ての臓器でMCP-1の発現量が40倍以上増加していることを明らかとしました。これは、通常のPFBのサイズは2-3μmですが、加圧することで生成される10μm程度のPFBが毛細血管内に滞留集積することで、血管内皮障害を助長している可能性を示唆しました。

【阿部助教コメント】
臨床検査技師が関連するタスクシフト/シェアにより、臨床検査技師の造影剤への関与がますます増えてくることが予想されます。今後も基礎研究の立場から、最新の知見を実臨床へ発信し続けたいと思います。

 

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