【理学療法学科】第一足根中足関節の関節軟骨変性には底側第一足根中足靱帯の形態が関与することを明らかにしました!
坂本航大さん(大学院博士後期課程2年、スポーツ医科学Lab、運動機能医科学研究所)と江玉睦明教授(理学療法学科、スポーツ医科学Lab、アスリートサポート研究センター、運動機能医科学研究所)らの研究論文が国際誌に掲載されました!
研究の概要:
第一足根中足関節の過可動性は外反母趾変形の一因とされています。第一足根中足関節には複数の靱帯や長腓骨筋が付着し、安定性を保っています。しかし、こうした靱帯や長腓骨筋の構造と、関節の安定性の指標とされる関節面の変性はこれまで明らかにされていませんでした。そこで、本研究ではご遺体を対象に、第一足根中足関節の底側、背側、内側の靱帯の形態(長さ、幅、厚み、線維束数)と関節面の変性との関係について調査しました。
その結果、第一足根中足関節の底側に付着する、底側第一足根中足靱帯の幅と厚みと、関節面の変性の重症度との間に有意な負の相関関係が認められました。また、この底側第一足根中足靱帯は長腓骨筋腱と遠位部のみ連続するType、靱帯全長に亘り長腓骨筋腱と連続するType、靱帯と長腓骨筋腱が連続しないTypeに分類されることが存在しました。今後は、生体で底側第一足根中足靱帯の形態を評価する手法を確立し、外反母趾発生との関係性をさらに調査する予定です。本研究は、国際誌「Clinical Anatomy」に掲載されました。
コメント:
本研究はご遺体を対象にした解剖学的な研究であり、外反母趾の進行メカニズムの解明や予防法の考案には至りませんでした。しかし、第一足根中足関節の形態に関する基礎的な知見は変形の進行メカニズムの解明や評価・治療法の発展に必要不可欠ですので、今後さらに研究を重ねたいと思います。
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