福祉用具を通して支援する
義肢装具自立支援学科
田子 篤史
卒業年 |
:2011年3月 |
出身高校 |
:新潟県・新潟商業高校 |
勤務先 |
:株式会社はあとふるあたご |
職種・職位・資格 |
:福祉用具専門相談員 |
私は現在、主に要介護認定を受けている高齢者が必要とする、ベッド・車いす・歩行器・手すりなどの福祉用具の貸与・販売・取付や、トイレ・階段・敷居の住宅改修など住環境を整備する仕事を行っています。また、高齢者だけでなく、障害者(障害児)への福祉用具・支援器具の販売も行っています。
- 現在の職種・業種を志したきっかけや理由を教えてください。
- 大学時代の臨床実習で、福祉用具を扱う企業にお世話になりました。義肢装具士に比べると福祉用具専門相談員の歴史は浅く、まだまだ専門性に欠けている印象を受けました。営業力や福祉用具の知識は豊富でも、人体力学や解剖学・様々な疾患に対する知識などは足りていない印象です。新潟医療福祉大学では、むしろその専門性をベースに学び、福祉用具・義肢装具分野に存分に活かすことができます。大学で学んだことを福祉用具分野にも活かせれば、もっと質の高いサービスを対象の方に提供できると思い、福祉用具の職種を選びました。
- 仕事のやりがいや魅力を教えてください。
- こちらが対象の方の身体状況・家屋状況等を考慮し良かれと思って提案したものが、ご本人やご家族に納得してもらえないで使って頂けず、結局また転んで怪我をしてしまったり、といったことも時には起きてしまいます。常にご本人、ご家族の視点から物事を考え、色々な条件を踏まえた上で落としどころを見つけ、その結果対象の方・ご家族のQOLを高めることができたときにやりがいを感じます。
- 本学の学びで活かされていることは何ですか?
- 車いすの知識が豊富でも、体の構造や対象者の疾患・病状の知識が不足で“合わない車いす”を選んでは意味がありません。そのため医療系総合大学である本学で、解剖学や力学など人の姿勢や状態を観察する際の基本となる知識を学べたことが大きな利点だったと実感しています。
- 今後の目標や夢、現在の仕事を通して実現したいことなどについて教えてください。
- 福祉用具は、高齢者や障害者が生活する上で、できないことを補ったり生活を豊かにするための手段の一つだと思います。しかし、時に間違ったものを選定してしまうことで、その逆の効果を生み出してしまうこともあります。新潟医療福祉大学で基礎や知識を学んだ精鋭の皆さんが、今後たくさん福祉用具業界に入り、一緒にレベルを上げながら業界を盛り上げていけたらと思っています。
- 現在の職種・業種を目指す高校生や本学を目指す高校生にメッセージをお願いします。
- 新潟医療福祉大学の学びの環境はもの凄く恵まれています。卒業してから分かったのですが、すごい人たちから教えていただいていたんだと痛感しました。福祉用具の分野も義肢装具の分野も根っこの部分は同じだと思うので、入学してから自分がしたいこと、自分に合っていることを見つけるのも一つの手だと思います。また、勉強だけでなく、アルバイトや部活・サークル活動といった様々なことができるのも大学生の特権だと思いますし、その経験は必ず社会に出てからも活きてきます。いろんな経験をして、大学生という時間を有意義に過ごしてほしいと思います。