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卒業生メッセージ

退院後の生活を考えて

言語聴覚学科

阿部 夕織

卒業年 :2007年3月
出身高校 :栃木県・栃木女子高校
勤務先 :社団法人 新潟県労働衛生医学協会附属岩室リハビリテーション病院
職種・職位・資格 :言語聴覚士

言語聴覚士とは「話す」「聴く(理解する)」「食べる」のスペシャリストです。脳卒中や事故の後遺症による障害、生まれつきの障害により、「話す」「聴く」「食べる」といった面に不自由さを抱えている人の手助けをします。言語聴覚障害に加え、医学や歯科学、心理学にも精通したリハビリの専門家として、医療、介護・福祉、教育・療育施設など、様々な分野で活躍しています。私は現在、岩室リハビリテーション病院に勤務し、コミュニケーションや食べることに障害を抱えた人のリハビリや、認知症に対する治療などを中心に行っています。院内でのリハビリのみではなく、退院後に質の高い生活が得られるよう、自動車運転の再開支援や復職支援なども行っています。

Q&A

現在の職種・業種を志したきっかけや理由を教えてください。
従兄の交通事故をきっかけに、リハビリ職の存在を知りました。細かい作業が得意だったので、言語聴覚士が患者さんに合わせた言語訓練教材づくりなどもすることを知り、興味を持ち始めました。私自身、食べることが大好きなこともあり、食べる能力を失った方を一人でも回復させたいという思いもありました。新潟医療福祉大学を選んだ理由は、医療福祉学科が揃っており、自分の専門分野のみでなく他職種と共に学んでいけると思ったからです。チーム医療を総合的に学ぶことができる最適な環境だと思います。

仕事のやりがいや大切にしていることは何ですか?
患者様の退院後の人生は、その障害の回復具合によって大きく変わります。その回復を支える言語聴覚士は、とても大変な仕事ですが、その反面で回復する喜びを患者様と共有できるとてもやりがいのある仕事だと感じています。私は、どんな症状の重い患者様であっても、その喜びを共有するために、一日の治療の中で小さな目標を決め、その達成を目指してリハビリを提供することを心がけています。患者様に寄り添って、患者様の隣で、少しずつでも良いので回復に向かってサポートすること、その積み重ねが言語聴覚士に大切なことだと考えています。もちろん、接する際の笑顔や気配りも欠かせません。

本学で学んだこと、身につけたことは、現在の仕事にどのように活かされていますか?
大学で学んだことはたくさんありますが、一番にあげるのは「患者さん一人ひとりに合わせたQOL(生活の質)向上」の大切さです。今は現場で試行錯誤しながら勉強の毎日ですが、QOLを念頭に置くと、患者さんのために何をしてあげたら良いか、患者さんは何をしてもらいたいのかが見えてきます。様々な学科の学生・先生とチーム医療を学んだ日々も、職場の仲間との連携に繋がっていると思います。また、新潟医療福祉大学へは全国各地から学生が入学してきているため、卒業後も各地に同期ができます。先生との交流も多くあり、就職してからも相談にのっていただけるので心強いです。今は実習指導者として学生を受け入れる側になりました。治療技術のみでなく,言語聴覚士としての仕事のやりがいや魅力を改めて後輩に伝え、志の高い言語聴覚士を育てていくことが、大学への恩返しだと思っています。

今後の目標や夢、現在の仕事を通して実現したいことなどについて教えてください。
現在は入院中の方々へリハビリを行ってますが、退院後も支援していける体制を作っていくことが私の目標です。入院のリハビリが終了しても、完全に元の状態に戻って退院できる方ばかりではありません。退院後もリハビリを継続できる場、障害に悩む方やご家族が相談できる場、障害を抱えながらも実りある人生を送るための手助けとなる場を作ることが私の夢です。同じ病気・障害でも、患者さんの症状や性格により治療方法は異なります。夢の実現に向けて、今は目の前の患者さんと丁寧に向き合い、その時にできる最良のリハビリを提供していくことが次に繋がっていくと日々感じています。

現在の職種・業種を目指す高校生や本学を目指す高校生にメッセージをお願いします。
言語聴覚士の認知度は最近になりやっと高まってきました。リハビリはチームで行いますが、言語聴覚士にしかできない治療もあり、非常に専門性の高い職業です。医療・福祉・教育と活躍の場は多岐に渡ります。人と関わることが好きな方はもちろんのこと、「誰かの役に立ちたい、人の支えになりたい」という思いがあるのであれば、リハビリ職に向いていると思います。障害や病気を抱えた方を一番身近で支えていく仕事です。患者さんの回復と共に自分自身も成長していける職業だと思います。