2月5日(日)~2月15日(水)の間、健康栄養学科 村山伸子教授ら3名の研究グループによるラオス現地調査・研究が行われました。
ラオスでは、未だ低栄養、鉄欠乏、ビタミンA欠乏などの食事からくる健康生涯をもつ人が多く見られます。一方、近代化に伴う食生活の変容により、今後は生活習慣病の発症等の課題もあげられています。しかし、こうした状況の中これまでラオス人の食物摂取状況を調査した結果はなく、この把握と食事調査方法の開発・調査ができる人材育成が急務となっています。
そこで、村山教授ら研究グループは、ラオス農村女性の健康・栄養状態、食物摂取状況を把握すること、簡便な食事調査方法の開発、人材育成を目的として、国内の研究者、ラオスのInstitute of Public Healthの研究者とともに、調査・研究・協力を行っています。
5日に現地入りした村山教授らは、ラオス農村に住む女性を対象に、体格、体脂肪率、ヘモグロビンレベル等の調査、3日間の秤量法での食事記録、聞き取り調査等を行い、健康・栄養状態、食物接収状況の把握に努めるとともに、食事記録をベースとしたラオス版の簡便な食物摂取頻度調査票を開発し、その妥当性の検討を行うなど、精力的な調査・研究が行われたようです。
10日間にわたる現地調査を終え、村山教授は「昨年8月に行った現地調査では雨季の時期と重なり大変な思いをしましたが、今回は乾季の調査だったため快適に過ごすことができました。ラオス農村では農耕のサイクルが生活に深くかかわっており、1月には稲の収穫を終え、2月~4月には食べ物も豊富で、また様々な宗教的な行事やお祭りが行われることもあり、最も楽しい季節だと言われています。そうしたことが影響してか、前回調査時に比べ栄養状態も向上していたようで、栄養状態にも季節変動がありそうです。
また、毎回現地の研究者と共同で調査研究を実施していますが、今回の調査を終えて、現地研究者が積極的に研究意欲をもってきたこと、現地農村のヘルスボランティアが調査スキルを身に付け、生き生きと仕事をしている姿をみて、本当に嬉しく思いました。」と振り返り、今回の調査が充実したものであったことを語りました。