2024年2月22日に、モンゴル国にて検査医を対象に研修会を開催し、臨床検査分野における尿検査の標準化や精度管理の方法について指導および支援を行ってきました。尿沈渣については、尿中赤血球の排出機序、糸球体性出血を示唆する糸球体型赤血球の鑑別・判定方法, 排出量および程度と腎生検組織の障害程度との関係を説明しました。さらに、上皮細胞類については、各種上皮細胞類の鑑別方法として、大きさ、無染色における色調, 細胞質表面構造, 細胞質辺縁構造、S染色における染色態度について指導しました。
日本国とモンゴル国外部精度管理事業体(MEQAS)における共同企画として、尿定性・沈渣トライアルサーベイを初めて実施し、解答・解説することによって、尿定性検査では偽陽性および偽陰性の有無と対処法や精度管理の手法を共有することができました。尿沈渣検査では各種上皮細胞類の判定基準を理解し、正しく鑑別する必要性と尿沈渣検査業務において異型細胞を鑑別する必要性をご理解頂けました。
今後、腎・尿路生殖器の疾患および病態を早期に発見し治療介入するため、各種上皮細胞類および異型細胞を鑑別し、結果を報告できる検査室および検査体制を構築するために、サーベイランスを含めた各種上皮細胞類および異型細胞の鑑別能力の向上を目的とした技術指導を継続して実施していくことをモンゴル国におけるトップの女性検査医、Prof. Naran Gurjavに提案しました。
講演風景
250名以上の検査医が参加
MEQAS関係者と記念撮影(右から2番目 横山貴准教授)
Prof. Naran Gurjavと記念撮影(左 横山准教授)
>>臨床科学科の詳細はこちらhttps://www.nuhw.ac.jp/faculty/medical/mt/