安中裕紀助教(作業療法学科)らの研究論文が国際誌「Occupational Therapy In Health Care」に採択されました。
研究概要
特発性肺線維症は予後が不良とされる難病であり、疾患の進行に伴い認知機能が低下していくことが知られています。しかし、臨床現場では症状が軽度であっても認知機能の低下を懸念される患者が散見され、服薬管理などの日常生活の自立に支障が生じることがあります。
そこで、本研究では症状が軽度である特発性肺線維症患者の認知機能を調査しました。その結果、健常者や中等重度の患者と比較して、症状が軽度であっても言語性記憶や認知的柔軟性などの一部の認知機能が低下することが明らかになりました。
研究者からのコメント
本研究の結果から、特発性肺線維症は症状が軽度の段階から認知機能が低下する可能性が示唆されました。今回得られた知見は、個々の患者に合わせた呼吸リハビリテーションプログラムを提供するために役立つと考えられます。特に、早期に認知機能の変化を把握し、それに基づいたリハビリテーションプランを立てることで、患者の日常生活の自立支援や生活の質を向上させることが期待されます。
【論文情報】
Hiroki Annaka, Tomonori Nomura, Hiroshi Moriyama. Cognitive function in patients with mild idiopathic pulmonary fibrosis: a case-control pilot study. Occupational Therapy In Health Care (In press).