志賀恭介さん(理学療法学科18期生、修士課程2年、神経生理Lab、運動機能医科学研究所)と宮口翔太講師(理学療法学科、神経生理Lab、運動機能医科学研究所)らの研究論文が、国際誌『Behavioural Brain Research』に採択されました!
研究内容の概要:
ヒトが運動スキルを習得するには、身体活動を伴う運動練習が必要不可欠な要素になります。近年、運動スキル向上の大半は運動練習間のわずか数秒の休息中に生じることが明らかになっています(マイクロスケール学習)。これには、数秒の休息中に生じる脳活動の変化が関与することが示されています。本研究では、経頭蓋交流電流刺激法を運動練習間の休息中に実施することにより、マイクロスケール学習に及ぼす影響を検討しました。結果として、経頭蓋交流電流刺激法はマイクロスケール学習に影響を及ぼさないことが明らかとなりました。本研究成果は、国際誌『Behavioural Brain Research』に掲載予定です。
研究者からのコメント:
運動スキルを習得するには、特定の運動練習を実施する必要があります。近年では、運動スキルの習得には運動練習間の短い休息中に生じる前頭葉と頭頂葉における脳活動の変化が関与することが報告されております。本研究により、前頭葉と頭頂葉への電気刺激は運動スキル習得に影響を与えないことがわかりました。2023年の現在まで、マイクロスケール学習に関する知見は不足しており、本研究の結果は今後の研究の足がかりになると考えております。
本研究のポイント:
① 運動練習間の休息中に経頭蓋交流電流刺激法を実施しました。
② 運動練習間の休息中における経頭蓋交流電流刺激法はマイクロスケール学習に影響を及ぼしませんでした。
原著論文情報:
Shiga K, Miyaguchi S, Inukai Y, Otsuru N, Onishi H. Transcranial alternating current stimulation does not affect microscale learning. Behavioural Brain Research. 2023. 11 [accepted].
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