【健康栄養学科】澁谷顕一教授と宮本真菜助手が国際誌でRED-S:スポーツ選手の相対的エネルギー不足に関する特集号を刊行することが決まりました。
【健康栄養学科】宮本 真菜助手
スポーツ選手においてはトレーニングに必要とされるエネルギー量を摂取し続けることは非常に難しく、その相対的なエネルギ摂取不足(RED-S)は社会問題となっています。
現に、ローイング競技をはじめとするトレーニング量が比較的多い競技のトップ選手においては、1日に8000kcalから12000kcalのエネルギー摂取が必要とされています。
スポーツ選手におけるエネルギー摂取量不足、殊に、炭水化物の摂取不足は深刻で、骨折などにより運動機能を損なうだけでなく、精神疾患、貧血を発症するなど、様々な弊害が明らかになっています。
具体的には、エネルギー摂取量が適正量より除脂肪体重1kg10~15kcal低下した状態が4日間継続するだけでLH(黄体形成ホルモン)などの分泌が乱れ、低炭水化物摂取状態が3週間継続するだけでIL-6(インターロイキン-6)レベルやヘプチジンレベルが上昇し、鉄欠乏性貧血を引き起こすとの報告もあります。
また、エネルギー摂取不足により女性であれば月経不順などの症状を発する可能性があります。
この分野における特集号の刊行については、他の国際誌からも多数依頼が来ていましたが、総合的に判断し、澁谷顕一教授がAcademic Editorを務める PeerJ-Life &Environment誌上で、助手で大学院生の宮本真菜さんを特別にEditorial Board Memberに招きRED-Sに関する特集号を刊行することとなりました。
そのなかでRED-Sへの理解、アスリートの栄養評価方法、アスリートにおけるエネルギーバランス、栄養摂取不足と鉄吸収、RED-Sによる心的側面への影響、ジュニアスリートへの支援など10を超える項目において広く学術論文を募集します。それにより、スポーツ現場におけるRED-S(スポーツ選手の相対的エネルギー不足)解決へのヒントを与えるプラットフォームを提供することを、この特集号の目標としています。
PeerJ-Life &Environment誌のホームページはこちらから
https://peerj.com/life-environment/
>>大学院修士課程健康栄養学分野及びスポーツ栄養学コースの詳細はこちらから
https://www.nuhw.ac.jp/grad/field/master/hn.html
>>大学院博士後期課程医療福祉学専攻の詳細はこちらから
https://www.nuhw.ac.jp/grad/field/doctor/major.html