9月20日(木)、理学療法学科では3学年を対象に「OSCE(客観的臨床能力試験)」を実施致しました。
OSCEとは、医師や医療従事者、およびその学生の臨床能力を評価するために開発された評価方法で、患者様に対して問診・診察・病状や検査結果・薬などの説明を行う時の技法(コミュニケーション能力・判断力・態度)を模擬患者様に対して実施し、客観的な評価を行うものです。これにより、通常のペーパーテスト等による知識や理解力などの評価に加え、これまで評価が難しいとされていた態度や習慣などについても評価することが可能となります。より高い実践力を身につける方法として医学部と薬学部では共用試験として取り入れ、臨床現場に出る前の4年次に全国統一で行われています。
今回の「評価OSCE」の目的は、臨床実習Ⅱ(評価実習)の準備段階として、態度や言葉づかいなどを含めた臨床的技能(特に身体計測、運動機能評価など)について学生が自己の学習状況を把握し、さらに学習を継続するための具体的内容を確認することです。
日本国内の理学療法士養成校で、OSCEを導入しているところは少なく、本学科では、より高いコミュニケーション能力の獲得と臨床力の向上を目指し、全国に先駆けて2008年度からOSCEの導入を開始しました。2学年から4学年に行われる学外実習と連携するように、学内において、面接OSCE、評価OSCE、総合OSCEと段階的に進めながら、臨床に対応できる理学療法士の教育を行っています。
当日は、3学年の臨床実習Ⅱ前半の学生(46名)が、中枢疾患(脳血管障害の患者)と整形外科疾患を想定した模擬患者に対して初回面接と検査測定課題を実施しました。模擬患者役は、大学の近隣に居住する一般人の方々です。模擬患者養成も本学では2009年より行っており、今回も模擬患者の方々はすべてこの評価OSCEにむけて研修を積んでの参加でした。学生は実際の理学療法の場面に匹敵する程の緊張感を持って、模擬患者に対して面接、検査測定を行い密度の濃い内容となりました。
学生は、総合OSCEを通じて改めて授業で学習した測定評価や理学療法の実施の難しさと大切さを体験し、自分の課題を明らかにすることができたと思います。実習前にこうした実践的な経験を積むことで、実習での学びをより効果的なものとしています。
患者様のニーズが多様化・複雑化する中、今後はリハビリテーションの養成校においてもこうした取り組みが広がっていくことが予想されます。本学の理学療法学科では、全国に先駆けて実践力重視の教育を推進するとともに、OSCEをさらに充実したものにして参ります。
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