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第1期生×第20期生 特別クロストーク

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第1期生

医療法人 愛広会
新潟リハビリテーション病院 主任(理学療法士)

岡邨 直人

2005年3月 理学療法学科卒業
新潟県 新津高校出身

第20期生

診療放射線学科1年

芳賀 愛梨

山形県 寒河江高校出身

コミュニケーションの先に大きな可能性が見えてきた。

最初に新潟医療福祉大学へ
進学した理由をお聞かせください

芳賀
私の場合は、母が看護師だったこともあり、医療系の職種に就きたいと考えていたところ、それならば診療放射線技師という職種があるよと母に勧めてもらったのがきっかけでした。
岡邨
私の母も看護師だったんですよ。私の場合は高校時代、野球部で腰椎分離症に悩まされていたのですが、理学療法士さんにリハビリをされてから回復し最後まで野球を続けることができたのが大きなきっかけでした。進路を母に相談したら、これからはリハビリが大切な時代だからと背中を押されました。

新潟医療福祉大学も20年の間に
大きく変わりました

岡邨
私の時には校舎は数えるほどだったのが、現在ではたくさんの校舎があって、迷子になってしまうのではないかと思ったほどです。
芳賀
そうなんですね。今では6学部13学科がありますから、キャンパス内には多くの校舎がありますし、学生の数も開学当時に比べたらかなり多くなっています。
岡邨
私の時代、1期生は320人ぐらいだったと思います。現在は全学年で4,500人程と聞いて大きくなったんだなと驚いていました。

学ぶ環境としてはいかがですか

芳賀
私がこの大学を選んだ理由の一つに様々な最新機器が揃っているということがありました。学科それぞれに最新鋭の医療機器が備わっていて、ここなら時代の先端の医療を学ぶことができそうだなと感じていました。
岡邨
勉強する環境が充実していますよね。学部や学科の増設に伴い施設も充実しているので、病院施設が丸ごとあるという印象すら受けます。

将来について先輩に聞いてみたいことはありますか

芳賀
実は、私が在籍する診療放射線学科は、今年でようやく全学年が揃う新しい学科なのですが、資格取得や就職に関しては未知数なことが多いので、どう対処すればいいのでしょうか。
岡邨
その気持ちはよく分かります。私の場合は先輩が一人もいなくて、全部自分たちで試行錯誤していました。試験対策から、部活動やイベント、学生生活に関わることすべてがそうでした。でもそんな苦労を楽しんだおかげで、成長できたと思います。ですので、まずは、大学で学ぶことは基本として徹底的に覚えること。資格取得に関しては、過去問題集を解くだけでなく、解説を読んで深く理解することが大切だと思います。
芳賀
チーム医療についても聞きたいことがあります。大学でも学んでいますが、実際の現場で必要とされる能力とはどんなものですか。
岡邨
やはり現場では一つひとつ状況が異なるということが前提としてあります。時には失敗することもあるでしょう。そんな時こそ、失敗から学ぶことを忘れてはいけません。そして、一つひとつ経験を積み重ねていくこと。そのためには、常に強い気持ちと、チームの仲間や患者さんと話ができるコミュニケーション能力が大切だと感じています。

これからの新潟医療福祉大学の可能性に
ついてはどのように感じますか

芳賀
様々な分野を目指している学生がたくさんいるので、同じ講義を受けても、違った考えを持つ学生がいることに刺激を受けながら、自分自身も成長していけると思います。
岡邨
そうですね、私の在学当時に比べると学生・学科の数が多いですから、もっと楽しめるはずです。色々な人と関わりを持つことは人間性を豊かにしてくれますし、チーム医療には欠かせないコミュニケーション力を育むこともできます。
芳賀
先生たちとの関係性もとても大きく役立っています。分からないことも丁寧に分かりやすく指導してくださるので、向上心を持って勉強できます。
岡邨
大学のコンセプトでもある「チーム医療」で活躍できる「QOLサポーターの育成」には、コミュニケーション能力や積極的な取り組みが欠かせません。これからも時代の先端をリードする質の高い新潟医療福祉大学にOBとして期待しています。

第1期生

新潟県中央福祉相談センター
企画指導課 主任

永井 丈史

2005年3月卒業

第20期生

社会福祉学科1年

山田 杏

新潟県 三条東高校出身

福祉への想い、この20年で変わったもの・変わらないもの

福祉分野の仕事を目指したきっかけは?

山田
私は「人の役に立つ仕事に就きたい」と、中学生の頃に高齢者施設にボランティアに行き、福祉の仕事を知りました。そのときは「福祉=介護」というイメージでしたが、高校で進路を決める時に、児童虐待のニュースが多く報道されていて、福祉分野がとても幅広く活躍できる仕事だということを知り、福祉の業界を目指しました。
永井
私は小学校教諭を目指して図書館で勉強している時に、医療ソーシャルワークの本と出会い、医療現場にも福祉の役割があることを知ったことがきっかけです。2000年に介護保険制度が始まったこともあり、当時は福祉といえば「高齢者福祉」という認識でしたが、「福祉だけど医療、医療だけど福祉」の領域があるのかと、関連する本を読むようになり、「こんなところで働きたい!」と。それまでは退院調整や各種制度への繋ぎは、看護師が行っていたかと思いますが、その役割を社会福祉士が担うということが徐々に認知され始めた頃だったと思います。翌年、新潟医療福祉大学が開学と知って、この大学に進学しました。山田さんは、大学に入られる前や、今、「福祉」のイメージはいかがでしたか。
山田
小中学生のころは、やはり福祉と言えば介護というイメージが強かったです。今は児童福祉分野のことも知って、将来は児童厚生一級指導員という資格などを取得して、子どもの福祉で活躍できたらと思っています。

入学後の大学での学びは、いかがでしたか?

永井
当時はまだ5学科で、1期生のときは、大学も閑散としていて、食堂が満席になることもありませんでした(笑)。1期生だったので、やっぱり下の人たちが入って来たいと思える大学を作っていかなくてはいけないだろうなとは思っていました。
山田
私は新型コロナウイルスの影響で、まだ本当の大学生活を理解しきれていないかもしれません。
ただ、講義に関しては、1年次から福祉に関する専門的な知識を学んでいくのかと思っていたら、「日常の当たり前」を見直していく、例えば左利きの方のちょっとした不便さをみつけていくような講義から始まったことが意外でした。自分は気にしていなかった当たり前を見つめ直す、そういう講義や心理学を学んでいくと、ドラマやアニメの登場人物の行動に対しても理解が深まり、すごく面白いと思うようになりました。
永井
私も入学当初は社会福祉に対して、高齢者や子ども、障害のある方、また経済的に困窮している人など、社会的にサポートが必要な方への支援というイメージでした。しかし、大学で学ぶ中で、そのイメージは少しずつ変化していったように思います。「社会的なハンディキャップのある方への支援」は間違っていないのですが、この対応に向かう姿勢として「誰しもが対等にあるべき存在」であり「支援をする・されるにとどまるものではない」こと、つまり「人間が本来得られるべき最善の利益や幸福をどの人にも実現すること」と認識が変わっていきました。
このように感じたのは、2年次の高齢者施設での現場実習で、元気な高齢者の方が多く、どんな支援をしたらよいのかと迷った時です。その時、どこか「支援をする」という上から目線のおごりがあったのではないかと気づけたのだと思います。
山田
新潟医療福祉大学には「連携総合ゼミ」という、様々な学科の学生がチームになって問題解決にあたるカリキュラムがありますが、20年前はどんなでしたか?
永井
当時も1年生のときからゼミがあり、これはこの大学の特色ですよね。1年次からグループ学習をするというのは、すごい取り組みですよね。今思い返すと、当時はチーム医療を学ぶことはもとより、学科を超えて様々な人と友達になれたなと。
山田
今年は、新型コロナウイルスの影響もあり、連携ゼミはこれからですが、やはり新潟医療福祉大学の特徴なので、すごく興味があります。例年、海外の大学も交えたチーム編成で行われる「連携総合ゼミ発表会」では、英語で発表するチームもあると聞いていますし、実際にあった問題に対して自分たちがどんなふうに解決に向けてアプローチしていけるのか、今から楽しみです。

福祉現場で、これからどんな人材が求められていくのでしょうか

永井
「熱意があれば!」と一言で言いたいところですけども。やはり、福祉の仕事は、人と人、人とモノ、人と制度など、その人にとって必要なモノ・コトを繋ぐことだと思っています。そのためには、大学で関連する法律、制度など基本的な知識を理解、習得することは大事だと思います。それから面接による情報収集をする力や、アセスメント(評価)する力、計画を立案する力などの援助技術も必要ですね。福祉現場で業務を行う上で、大きな後ろ盾になることは間違いありません。しかし、これらは業務にあたる中でも身につけていけばよいものだと思います。
私が最も必要だと思うことは、コミュニケーションをとる力、相手との信頼関係を築く力を持つことだと思います。相談場面では、人の話を聞くところから始まります。どんな相談であっても常に冷静であり続けることが大切です。こうした対応が、相手との良好なコミュニケーションに繋がり、信頼関係を築く第一歩となります。そのためには、まず自分が自分自身を知ることが重要です。自分がどんな性格で、どんな特徴があって、どんなことに喜び、どんなことにつらさを感じ、どんなときに怒りを覚えるのか。こうした自分自身への理解が、相談場面において冷静さを保ち、良好な相談関係の構築に繋がると思っていますし、それがあってこそ「寄り添う」姿勢を常に持ち続けることができる、これが福祉の人材に求められる資質ではないかと思います。
山田
現場の方から直接お聞きすると、すごいですね。現在の新潟県中央福祉相談センターはどんな様子ですか?
永井
今、私のいる児童相談所は、虐待の通報で緊急的に介入し、一時保護により子どもの安全を確保する場合もありますし、保護者や学校等からの相談に対応する場合もあります。その相談内容は、児童虐待に関わらず、子どもの発達相談や非行相談など多岐に渡り、件数もとても多いです。相談を受ける中で、子どもに障害や多動傾向があって親の話をなかなか聞けないとか、子どものこだわりが強すぎるとか、生まれたばかりの子どもが夜寝ないで親が寝不足になるとか。そうした状況から育児が手につかない、強く叱責してしまう、手が出てしまうといった状況になってしまうということがほとんどです。困っている保護者が気軽に相談できて、困りごとが可視化されれば、「うちだけじゃないんだ」と支援に繋がっていきますよね。「きっと、うちだけだろうな」と孤立しないように、子どもからも保護者からも丁寧に話を聞いて、公的なものから民間のものまで支援を繋げていくことが児童相談所の業務の一つになります。保育所や学校、市町村子ども担当に加え、放課後児童クラブ、児童発達支援センターや病院のソーシャルワーカーなど、子どもを含めた家庭への支援ができるあらゆる機関と連携を図っています。

最後に現役の大学生へ向けて、アドバイスをお願いします。

永井
勉強と同じくらい学生生活を楽しむことも大事だと思います。大学はもちろん勉強の場ですが、ゼミやサークルなどでの人と人との関わりを通じて、楽しいことや嬉しいこと、辛さを乗り越えることを多く経験してください。それが「自分を知る」というところに繋がっていくので。現場に出て座学が通用しない時に、人と関わってきた様々な経験が活かされてきますから。
山田
ありがとうございます。今しかない、貴重な4年間を過ごしていきたいです。
そして、この先の大学を作っていければと思います。