本学会は健康・医療・福祉分野との連携並びに共同研究の発展を目的に、平成13年、本学開学と同時に発足され、毎年学術大会を開催しています。
今年で9回目を迎える今回の学会では、作業療法学科の大山 峰生 学科長を大会長とし、「医療関連職の未来」というテーマのもと、“めまぐるしく変化する社会情勢の中、医療関連職の社会的地位、働く環境、待遇等の問題点を踏まえ、医療関連職は将来に向けてどのように進むべきか考える”ことを目的としました。
学会会頭 高橋学長の挨拶で幕を開けた学会は、さわやかな晴天にも恵まれ、学会員を中心に約160名の方に足を運んでいただくことができました。
午前中に行われた一般口述発表では、社会福祉系、健康科学系、連携教育系の各分野に分かれ、それぞれの分野で大変興味深い発表が行われました。その後、ポスター発表が行われ、地域社会活動教育、リハビリテーション、健康科学といった多方面にわたる分野のポスターが同一フロアに多数掲示され、自分の関係する分野のみならず他分野の発表者のポスターを見ることができ、フロアでは活発な意見交換がされていました。また、同フロアでは本学の大学院生による発表もあり、先生からの質問に熱心に答えている様子が見られました。
午後に実施された特別講演では、大阪府議会議員でもあり理学療法士の長野 聖 先生から、「医療関連職が果たすべき今日的課題」を講演して頂きました。医療関連職がより良い技術を国民に提供することと、自らの社会的地位を向上させることには密接な関係があること。そして、そのためには行政だけでなく政治への働きかけが不可欠であることをなどを、ご自身の活動を交えながら分かりやすく説明して頂きました。
また講演終了後には、作業療法学科 貝渕正人先生を座長に「若手が語る医療関連職の将来像」と題するシンポジウムが行われ、理学療法士、看護師、管理栄養士、健康運動指導士、社会福祉士のシンポジストがそれぞれの分野を代表し、職種の現状の問題点、強み、そして今後の展望についての発表が行われました。
本学会のいずれの発表やシンポジウムも、今後の日常生活における臨床・教育活動に役立つ情報であり、普段は触れることの少ない他分野の最新の情報までも得ることのできる貴重な機会となり、会場からも多数の質問が寄せられ、時間が足りなくなるほど充実した学会となりました。
また、今回の学会には、本学作業療法学科の2年生がアルバイト・スタッフとして参加し、会場係・照明係・受付係・マイク係等、様々な業務に従事しました。はじめての業務に学生たちは少々戸惑いながらも、徐々に自信を持って取り組んでおりました。その後、学生たちからは、「普段は聞けない色々な職種の方の話を聞くことができて良かった」などの感想が出て、今回の業務を通して将来の職業への意欲がさらに増したようでした。
本学では、本学会を健康・医療・福祉分野の連携・発展にむけた共同研究の場としてさらに充実させ、また学生・大学院生の研鑽の場となるよう努力してまいります。
<写真上から>
・ポスター発表を熱心に見ている様子
・長野先生 講演時の会場の様子
・受付にて学生が仕事をしている様子